ハインリッヒの法則からみる小さな活動の力がもたらす変化

ハインリッヒの法則って結構普遍的な法則なのではと思いたったので、ここに記してみる。

ハインリッヒの法則とは?

そもそもハインリッヒの法則とは何なのかから説明しようと思う。

ハインリッヒの法則とは、アメリカの損害保険会社のハインリッヒが発表した法則です。「同じ人間が起こした330件の災害のうち、1件は重い災害(死亡や手足の切断等の大事故のみではない。)があったとすると、29回の軽傷(応急手当だけですむかすり傷)、傷害のない事故(傷害や物損の可能性があるもの)を300回起こしている。」というもので、300回の無傷害事故の背後には数千の不安全行動や不安全状態があることも指摘しています。

引用:職場のあんぜんサイト:ハインリッヒの法則(1:29:300の法則)[安全衛生キーワード]

簡単に言ってしまえば、数多の不注意が1つの死亡災害につながるよってことである。これをボトムアップ的に追ってみていくとしよう。
まず300回のヒヤッとしたケガはしてないけど、ケガをしたかもしれないことが不注意等によっておこる。続いて29回の軽いケガをしてしまう。そしてついには1回の四肢切断や死亡などの重大な事故が発生してしまう。
この関係性は抽象的にとらえると、そのトピックについて小さな活動がたくさん積み重なると、大きな活動につながる。大きな活動をいくつかこなすと華やかな活動につながる。
こうしてみると、ハインリッヒの法則はほかの事柄についても適用できると考えられる。以下に具体的な事例についてみてみようと思う。

コンテンツの持続と初心者

コンテンツにおいて、前述の華やかな活動にあたるのは、やはりコンテンツが人気であり続けることだと思う。そこでコンテンツが人気であり続けることと初心者の関係について、格ゲー界隈の話を用いて説明しようと思う。
わりと有名な話ではあると思うが、格ゲー界隈は何度か滅びかけている。その原因はというと初心者にゲーム側も既存ユーザー側も優しくなかったからである。そこから初心者が減ってしまい、それにつれて一般ユーザーやファンが減り、ガチ勢も減ってしまったとされる。

つまり、前述の小さな活動である初心者に対する扱いをないがしろにしてしまった結果、一番土台となる初心者の数が減ってしまい、結果的に存続の危機に落ちいった。(これが労働災害であればどれほどよかったことか)
そこでスト6からゲーム側やガチ勢やプロの方が初心者にかなり優しくし始めたそうだ。すると、息を吹き返して人気が盛り返したのである。

このように小さな活動というのは、増やしていくことで華やかな活動につながりやすくなることがわかる。
参考

ガチ勢が初心者に優しくない問題、新規を雑に扱ったせいで一度滅びかけた「格ゲー界隈」が異様に変化した話が参考になる - Togetter

草の根活動から広がる世界

草の根活動のように影響力こそ小さいものの、発信する人が増えることでコンテンツが盛り上がる例がある。VRChatである。

VRChatでは、本当にたくさんの人が善意でアバターの改変方法やトラブル対処、PCやHMDの選定や設定方法など多岐にわたる情報を発信してくれている。そのおかげで、VRChatに来た初心者さんが何かしらに躓いても、乗り越えることが多い。するとVRChatに定着したユーザーが増え、さらにはインフルエンサー的なユーザーや大規模なイベントが増える。インフルエンサー的なユーザーや大規模なイベントが増えることで、さらに初心者さんが増え、盛り上がっていく正のスパイラルが起こる。
こうした例からも、小さな活動の大切さがわかる。

集団への貢献としての小さな活動

格ゲーの事例とVRChatの事例から、ハインリッヒの法則は抽象レベルでは普遍的な法則であることが分かった。
そして小さな活動を通して間口を広げる大切さがわかったと思う。
n番煎じになったとしても、発信力がないとしても、何かの拍子で初心者さんの手助けになるときはある。同じテーマでも書いた人によって読み手が理解でいるできないは変わってくる。そういう意味でも、書き手が増えると読み手が助かる事例が増えるので、臆せずにどんどん解説など小さな活動をしてほしいです。